| 品名 | 色打掛 |
| 色 | 緑、金、銀 |
| 柄 | 丹頂鶴に松 |
| 素材 | 正絹 |
| 重量 | 3.19kg |
| ランク | A⁺ |
| その他 | アンティークものとしては状態は大変良く、美品 |
| A (身丈) | 194cm |
| B (裄丈) | 66.5cm |
| C (袖丈) | 105.5cm |
| D (前幅) | 26cm |
| E (後幅) | 32cm |
| ※身丈=肩からの長さ |
コメント
お着物の右側はベージュ色、そして左側は緑色という片身替わりで仕立られた、とても豪華で斬新なアンティークの色打掛です。右前袖には赤糸で紅梅を、左前袖には銀色糸で白梅の意匠を左右対称に配置しています。地紋には葉脈のような立涌文が金糸で織り出されています(顕微鏡で撮影した最後の5枚の画像のうちの1枚目〜3枚目の画像をご覧ください)。
お着物には金、銀、赤の3色を基調として松と丹頂鶴の意匠が刺繍されておりますが、ともすれば単調色になりがちなところを、裾部分と右後袖の下部に青色の笹を入れることによって、赤、青、緑の光の三原色を作り出し、更に金色と銀色が加わって彩(いろどり)に華やかさと格調高い安定感を与えています。松と鶴は縁起の良い図柄で、厳寒にも常緑を保つ松は生命力の象徴であり、鶴には夫婦の長春、不老を祝う意味が込められています。また鶴は夫婦仲が大変良く、一生を連れ添うことから、夫婦鶴(めおとつる)ともいわれます。この色打掛には、金と銀で一対を成す鶴が大きく意匠されています。さらには松竹梅の意匠も加わり、大変めでたく縁起のよい図案となっています。
刺繍は手刺繍で、幾重にも重ねられた刺繍糸には肉厚で重厚な趣があり、ふっくらとした立体感があります。(よく刺繍を立体的に見せるために、刺繍の中に綿やハギレなどを入れて盛り増しする場合がありますが、この色打掛の刺繍にはそういった盛り増しは一切されていません)。お着物全体に刺繍を施すだけでも気が遠くなるような根気のいる大変な作業ですが、衿、衽、前身頃、後身頃、袖などの各パーツを縫い合わせた時に絵羽になるように刺繍され、見事なまでに綺麗に仕上がっているのは至難の業です。唯々感嘆するばかりです。
裏地は薄く、金の箔糸の地に赤色の絹糸で檜垣文様が織り出されています。(3〜4枚目の画像と、顕微鏡で撮影した最後の2枚の画像をご覧ください)
裾フキにはフキ丈×厚さが10�僉�5�僉�8�僂量覆�たっぷりと入っています。裾の状態は大変良いです。裾は引きずられるので普通は擦れたり破れたりと傷みがちですが、この色打掛には全く傷はなく、大変きれいな状態です。
汚れは、右後ろ身頃(裾から約56cm上)部分に薄い汚れが1箇所あるのみです。(赤いシール:シールの直径は約7ミリ)(16枚目の画像)その他には難は特に見当たらず、アンティークものとしては状態は大変良く、美品です
ハナの豆知識
檜垣文様とは?
檜(ひのき)は、緻密で狂いが生じにくく、丈夫で長持ちとされていて昔から多くの人々に愛されてきました。檜の持つ特有の爽やかな香りには、ストレスや疲労を解消する成分が含まれると言われます。檜垣(ひがき)とは、檜の樹皮を細く削って、漁具で用いる網代(あじろ)のように編みこんだもののことを言いますが、この檜垣を文様化したものが檜垣文様です。檜垣文様は着物や調度品などの意匠として平安王朝時代からよく使われてきたそうです。
さて、この色打掛の裏地には檜垣文様が織り出されていますが、お金を呼び込む色と言われる金色の箔糸と、縁起がいい色とされる赤色の絹糸が用いられるなど、目立たない裏地にまで細やかな気配りがされています。表地の豪華さにも決して劣らない、まさにこの色打掛に相応しい煌びやかな金色の裏地です。檜垣文様が燦然と光り輝いてとても素敵です。